目的に合わせた貯蓄の考え方

話合いの場

人生100年時代といわれ、貯蓄が大切になってきています。

貯蓄は必要なこととわかっていても「どうやったら上手な貯蓄ができるの?」と思っている方も多いのではないでしょうか。

ここでは女性の単身世帯の貯蓄について、目的に合わせた貯蓄の考え方や具体的な貯蓄の進め方を紹介します。

貯蓄ってみんなどのくらいしているの?

金融広告中央委員会の2017年家計の金融行動に関する世論調査(20代~70代)[単身世帯調査]によれば、金融資産保有額の平均額は 942万円です。この金額をあなたは貯蓄していますか?

「多い!」と感じる人も「少ないのでは?」と感じる人もいるかもしれませんが、この平均額は、貯蓄0の人から高額を貯蓄している人まで全て合わせて出した平均なので、実感できる感覚とはかけ離れた金額といえるでしょう。

そこで、貯蓄額は中央値(多い順番と少ない順番の真ん中の値)を見てみましょう。
同調査では金融資産保有額の中央値は 32万円です。次に多いのが200万円なので、32万円~200万円ぐらいが 実感値といったところです。
参照:金融広告中央委員会の2017年家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]

どんな目的で貯蓄をするの

それでは貯蓄をしている人は何のために貯蓄をしているのか、その目的を多い順に見ていきましょう。

1.老後の生活資金……54.5%

2.病気や不時の災害への備え……44.1%

3.とくに目的はないが、金融資産を保有していれば安心……28.4%

4.旅行・レジャーの資金……19.3%

5.耐久消費財の購入資金(家具、自動車など)……10%

どれくらい貯蓄をすればいいの

上記で見てきた貯蓄の目的の場合、どれだけの貯蓄が必要なのか具体的に計算してみましょう。

「老後の生活資金」が目的の場合

ここでは、会社勤めをしてきた年齢30歳の女性の場合、年金受給額を10.8万円とし、65歳から30年生きるとした場合の内訳を見てみましょう。

平成28年度生活保障に関する調査によると、最低限の生活費としては夫婦2人で22万円ということです。

単身の場合はその半額で11万円になりますが、もう少し余裕をもって生活をしたいところなので×1.5すると1カ月の生活費は16.5万円です。
1年間で198万円→30年で5,940万円の生活費がかかることになります。

年金は10.8万円あるので差し引き6.5万円が毎月赤字になると計算した場合、2,340万円を貯蓄すればよいことになります。

また、これから毎月決まった金額を貯蓄するなら、月に5.6万円を残り35年間積み立てるとほぼ必要な貯蓄額になります。

「病気や不時の災害への備え」が目的の場合

ここでは、給料の手取りが25万円で、備えとして、約半年分を貯蓄すると考えた場合を計算していきます。

25万円×6ヶ月月=150万円。その他、臨時にかかる費用を見込み1ヶ月分をプラスすると現時点で、180万円程度を貯蓄しておく必要があります。

金融貯蓄には他にどんな方法があるの?

金融貯蓄という資産を保有するには現金預金だけではありません。以下その他の金融貯蓄の種類を紹介します。

・預貯金……47.3%
・有価証券(株、投資信託等)……34.5%
・個人年金保険……6.6%
・生命保険……6.6%

やはり預貯金が最も多い貯蓄方法ということが分かりますね。その他にも、「老後の資産づくりを支援する税制」により以下のような投資方法も奨励されています。

・NISA……少額投資非課税制度。毎月一定金額で購入した株式・投資信託党の配当に税金がかからない制度のこと。
・個人型確定拠出年金……iDeCo(イデコ)といい、毎月決まった額を投資信託や定期預金、保険等の金融商品運用を選んで、60歳以降に運用した資産を受け取る制度のこと。

万が一の時にいつでも引き出せる、現金の預貯金が一番多いものの、税制優遇があり、初めての人でも始めやすい商品の開発や長期運用型、リスク資産など多様な組み合わせによって貯蓄をする人が増えています。

いかがでしたか。貯蓄は何の目的でするかによっても変わります。
人生設計を立て、あなたにとって最も良い方法を選択できるようにしましょう。

無理なく続けられる貯蓄の仕組みを使って、また金融資産の組み替えをしながら賢い貯蓄をしてみてはいかがでしょうか。

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